退職代行サービス モームリのデータについて

福岡県糟屋郡宇美町の「かなた社会保険労務士事務所」代表の田中幸代です。

「辞めたいけれど自分では言い出せない」という労働者のニーズに応え、退職代行サービスの流行が拡大しています。
若年層(20代)を中心としながらも、30代、40代も同じぐらいの利用率になっています。
つまり世代の傾向ではなく、労働環境や職場の人間関係、組織の構造が背景にある時代の傾向と考えられます。

退職代行の主な利用理由としては、
・退職を引き留められた(引き留められそうだった)から・・・40.7%
・自分から退職を言い出せる環境でないから・・・32.4%
・退職を伝えた後トラブルになりそうだから・・・23.7%
となっており、職場のコミュニケーションや心理的安全性の課題に起因しているようです。
※心理的安全性とは・・・組織の中で自分の意見や気持ちを、誰に対しても安心して表現できる状態を指します。

「退職代行モームリ」を管理している株式会社アルバトロスが公表している累積利用者データによると、勤続半年未満での利用が全体の約63%を占めています。
男女比はほぼ同等で、特に新卒社員の利用はゴールデンウィーク明けなど大型連休後に急増する傾向がみられるとのことです。

また、「退職を選択する状況」は、かつての終身雇用や年功序列といった制度が崩れつつあるなかで、雇用関係そのものが流動化し、働く側の価値観が意味のある仕事・働き方を選び続けていくことにシフトしていることが背景にありそうです。

つまり「退職代行」という現象は、単なるサービス利用の問題ではなく、私たちの社会における「働く」という行為の意味を問い直すきっかけになるものです。

みなさんの会社ではいかがですか?
退職代行を使ってまで辞めようとする労働者がいるとなると、労働環境が悪化していることに繋がっているのかもしれません。
今一度、見つめなおすきっかけにしていただけますと幸いです。
また、それに伴う労務相談等はヒアリングしながら、お悩みを解決出来るよう取り組んでまいりたいと思いますので、お気軽にご連絡ください。

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TanakaSachiyo
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