安全配慮義務違反って?

福岡県糟屋郡須恵町の「かなた社会保険労務士事務所」幸福な社労士こと田中幸代です。

中小企業も「パワハラ防止法」間近になってきました。
これにより、「社内外に相談窓口」を設ける、という義務も出てきますが、今日はこの件で裁判例のお話です。

Y銀行では、従業員Aが度々ミスをすることで、上司B、上司Cから叱責されていました。
※ただし、今回はこの「叱責」に関してはパワハラと認められておらず、指導の範囲内とされています。

そこで従業員Aは同僚や家族に「パワハラされている」と愚痴るようになっていました。
また、上司B、上司Cよりも職位の高い係長の上司Dに「異動」の願いも出したりしていましたが、実現されませんでした。

そうこうしているうちに、従業員Aはさらに度々ミスをするようになり、家族や同僚には「死にたい」と言うようにもなっていました。
ただ、従業員AはY銀行の相談窓口は利用していませんでした。

家族(妹)や一部の同僚はそれを知り、上司B、C、係長の上司Dにそれを伝えたりもしましたが、なにも対応はなされませんでした。

結果、従業員Aは自殺をしていまった…という事件です。

この裁判例、なにが問題かというと、下線①が4つありますが、係長である上司Dに「異動」の願いを出したりしており、更に同僚などから話を聞いていた時点で、体調不良や自殺願望を知っていたこと、それが上司Bや上司Cからの叱責が理由であったことを認識しているのにもかかわらず、なんの対応もしていませんでした。
これは労働契約法第5条の安全配慮義務違反になります。

そして、下線②が1つありますが、従業員AはY銀行の相談窓口は利用していませんでしたが、上司側がその問題を認識していた以上、対応しなかったことは許されない、ということです。

ということから、パワハラとしてではなく、安全配慮義務違反(債務不履行)を理由として約6142万円の支払いをY銀行に命じた。

以上のように、正しい指導をしていてもその後のフォローや従業員の様子は気にかけておかなければいけませんし、相談窓口を利用しなかったからといって何もしなくても良いわけではありませんので、十分ご留意ください。

かなた社会保険労務士事務所
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